―偽愛―
楽しそうに
幸せそうに話している海翔達
アタシは…なんだか居場所がなかった
その居場所の無さに いたたまれなくなって 2階に上った
部屋のドアの前でも アタシには居場所がない事に気が付いた
アタシの家なのに…
…なんで
アタシの居場所がないなんて…
アタシはふらふらと 下に降りて 海翔達の横を通り過ぎ 玄関から出る時だった
“広海。オカンの部屋からタオル持って来て”
オカンが話しかけた
…もうタオルぐらい自分で取りに行けばイイのに…
そう思いながら オカンの部屋に向かって開き戸を開けた
部屋に入ると同時に オカンの歩いてくる音がした
“…アンタ。なんかあったんじゃろ?優人くんとケンカでもしたんか? …じゃけど、あの原さんとこの旦那さんは止めとき。妻子持ちに手を出したらおえんよ…”
なんでもズバズバ言う
分かってるよ…オカン
“さすがだね…オカン”
“何年、アンタのオカンやっとるか?辛くなったらオカンの部屋に来たらええで…”
そう言い残し 部屋から出ていく
アタシはオカンのベッドに横になる
オカンの匂いだ
落ち着く
なんか 疲れちゃったよ…
アタシは そのまま眠りこんだ