―偽愛―
このまま ここにいる事が
居ても立ってもいられない
やりきれない…
無理だ
煙草ケースをサッと取ると アタシは2階に上った
自分の部屋に戻って 窓を開け 窓枠に腰かけて、苛立つ気持ちを抑えるのに 必死だった
煙草に火を点けて 冷静を装うかのように ゆっくりと深く吸い込む
ハァ …
ため息混じりに吐き出す煙
アタシの風鈴と 海翔の風鈴
隣りには並べられないね…
アタシと海翔も 堂々と人前で並べられないんだ…
そんな事 分かりきった事なのに…
切なかった