―偽愛―
ガラ
突然 海翔の部屋の窓が開き、海翔が窓枠に座った
アタシは慌てて涙を拭った
泣いてる所なんて 恥ずかしくて見せらんないよ…
“悪い…”
ボソッと低く声で 海翔が呟く
“kissなんかして…オタクを困らせたな…”
…悪いって
…どういう意味…?
kissなんかして…って どういう事…?
オタクって…もう名前で呼んでは、くれないの?
アタシに あんなにたくさんしてくれたkissは 何だったの…?
“ア、アタシ…困ってなんか…ないよ…”
もう 涙が止まらなかった
海翔が…
海翔が…欲しい
海翔が 欲しくて欲しくてたまらない
そう思えば思うほど 泣きたくもないのに 涙が溢れて止まんない