―偽愛―
涙が止まらない…
アタシ どこかに涙を止める方法を忘れたみたい…
マジで 止まんない
“アタシこそ…ごめん…気を遣わしちゃったね……
泣くつもりなんて…ないのに。涙が止まんない…”
こんなアタシの姿に見兼ねた海翔は 窓枠に立ち、窓枠を越えてアタシの隣りにやって来た
そして アタシの肩を抱いて
“泣かせるつもりなんてなかったんじゃ…やけど、広海に惚れてしもうたわ。じゃけん…俺、つい調子にのってしもうた…”
優しい声
温かい大きな手
“海翔…こんなトコ…誰かに見られたら…”
“そうじゃな…”
アタシ達は 窓枠から降りて
ふたり 並んで座った
泣き過ぎで 腫れた目を海翔がkissする
“…惚れとるけん”
“ウチもじゃ…”
アタシ達は 初めて深く深く抱き合った