ガラスの心
第1章
わからない
「るりー!!おはよ」
朝からハイテンションなエリがやってきた。
「・・・おはよ」
朝が嫌いなあたしはエリにそっけないあいさつをした。
「るりってホント朝弱いよね。あッほら!!カイヤがきたよ」
「えッ」
大塚カイヤ
あたしの彼氏
9ヵ月も付き合ってるにも関わらずキスはたったの2回だけ。
あまり進展ないカップルだ
「あッおはよう。るい」
「お、おはよう」
「なにあんたたちオドオドしてるのよ!」
あたしのおでこをデコピンしてエリが言った。
「だってしょうがないじゃん!」
だって
最近カイヤへの気持ちがわからなくなってきた。
嫌いじゃない
けど
好きでもない気がする
そう
いつからかあたしはカイヤを見なくなっていた。
あたしが見ているのは
カイヤの隣で口笛をふく
あの人―――