水瓶の中ー【短編集】
感覚
感覚って何かを創作する上でとても重要だ。
でも、それはとても繊細で、
瞬間で、不明瞭で、捉えがたくて…
何か良いものが降りてきたと思っても、
幸せな雰囲気も、楽しい気分も、不思議な感覚も
表そうとすると、残したいと記録しようとすると、
伝えたいと思うと、
次の瞬間には形を変えている。
かげろうのようにゆらゆらととらえどころがないのだ。
静かな時間は必要だと思う。
雑音がなく、頭が冴え、心も比較的穏やかで。
そんな時間が訪れると物事がいつもより明瞭にみえてくる。
そして、気持ちが研ぎ澄まされ、忘れていた感覚が
現れてくるのだ。
時を超え、場所を超え、時空を超えて
感じる空気。
すごく曖昧で、捉えがたいその感覚は
面白くて、ちょっと不思議で、少し幸せで、
だからやっぱり、現したくなる。