水瓶の中ー【短編集】
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Rは館へ入るとすぐにAの妹らしき人を見つけた。
「あの…」
Mは、はっと我に返り声の主に目を向けた。
「ああ、Rね?姉から聞いてる。私はMです。」
彼女は取り繕って笑顔を見せた。
Rが言う。
「あの、私いろいろと聞きたいことがあるのだけど…」
(そら来た。)
Mはさっきからついていた溜め息を押し殺した。
(さて、どう話そうか?)
彼女は、人と話す事が嫌いな訳ではないが、得意な方でもなかった。
このややこしい状況を相手に気を使いながら説明すると思うと、気が滅入りそうだった。
彼女とて、今心穏やかであるとは言えないのだ。
(考えすぎても、私の場合裏目に出るかも)
そう思ったMは、作業を続けながらお茶を出すことにして、軽く言った。
「そうでしょうね。お茶を出すから、そこに座って。
私、落ち着いて真剣な話をするのは苦手で…姉が帰ってからの方がありがたいんだけど、まぁ…そうね~じゃあ、あなたの聞きたいことから答えるわ。」
Mはそう断って、自分のペースでやる事にした。
Rは館へ入るとすぐにAの妹らしき人を見つけた。
「あの…」
Mは、はっと我に返り声の主に目を向けた。
「ああ、Rね?姉から聞いてる。私はMです。」
彼女は取り繕って笑顔を見せた。
Rが言う。
「あの、私いろいろと聞きたいことがあるのだけど…」
(そら来た。)
Mはさっきからついていた溜め息を押し殺した。
(さて、どう話そうか?)
彼女は、人と話す事が嫌いな訳ではないが、得意な方でもなかった。
このややこしい状況を相手に気を使いながら説明すると思うと、気が滅入りそうだった。
彼女とて、今心穏やかであるとは言えないのだ。
(考えすぎても、私の場合裏目に出るかも)
そう思ったMは、作業を続けながらお茶を出すことにして、軽く言った。
「そうでしょうね。お茶を出すから、そこに座って。
私、落ち着いて真剣な話をするのは苦手で…姉が帰ってからの方がありがたいんだけど、まぁ…そうね~じゃあ、あなたの聞きたいことから答えるわ。」
Mはそう断って、自分のペースでやる事にした。