水瓶の中ー【短編集】
星々は巡る
女王はやがて御隠れになる
我らも次の場面へと
水平線から
暗闇と神々の子を吹き払い
空の王が再び姿を現す
その兆は水平線の色が
薄いふじ色になり
光の矢が放たれる時
暗い海原は
青さを取り戻す前に
瞬間
宝石よりもまばゆい銀色に輝く
生きとし生けるものの
多くはその眼を開ける
王は高々と昇り
雲を突き破り
神々しい光のカーテンを
差しかける
世界は色を取り戻す
終わり