水瓶の中ー【短編集】
【たとえ‥】

例えその時、どんなに辛くても、時が経てば痛みは癒える。辛さは忘れる。

例えこの苦しみが
一生続くように思えても、そう、死さえ好ましいと思えるそんな時も
長い長い苦しみも

いつかは

忘れ、遠く思える時が来るものだ。

それが人間。

大きな口を開けて笑う時が来るのだ。


魂に刻まれた傷は消えない。
起きたことは永遠に残る。

いつか、その傷が開くこともあるかもしれない。


だから笑えること
幸せを感じることが出来ること

それが宝石のように美しい。

周りに感謝出来るその心が
とても綺麗で
大切で

明日の希望と
未来の自分を
飾りゆくように思えるのだ。


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