水瓶の中ー【短編集】
細くてかわいらしい女の子だった。
外では無表情でいることは多かったが、それはお互い様だろう。


その子はいつの間にか私の前からいなくなっていた。


いつからなのかは、やはり覚えてないが小学校に上がってほどなく、彼女に会った事がないということに気がついた。


幼稚園の皆はそのまま同じ小学校に上がり、クラスも3つしかないのに、なぜ彼女は見当たらないのだろう?


私の数少ない友人に聞いてみた事もあるが元々印象の薄い子だったのだろうか、今どうしてるか知ってる子はいなかった。


私はこの性格のおかげで、人間関係にはほとほと悩まされてきた。

彼女も同じようなことで悩んではいないだろうか?


どっかに引っ越したのか?

もう二、三年、成長していて住所などという言葉がわかっていれば、別れる前に本人から行方を聞くことができたのかもしれない。


いつの間にか仲の良い友人がいなくなっていた。というのは非常に気になるものである。


人のことは言えないが、ちゃんとやっていけてるねかな~と心配したり、しなかったり。
< 53 / 115 >

この作品をシェア

pagetop