心の国のアリス
「きゃあっ。」
私は思わず飛び退いてしまった。
私の後ろにはいつの間にか2人組の男、それも容姿がそっくりな双子の男がまるで蝋人形のように音も立てずに立っていたからだ。
「だ、誰…?」
警戒してるためか、こんな言葉しか出てこない。
すると、双子の男はチラッとこちらを見たあと、指差しながらこう言ってきた。
「無礼だな。人に名前を尋ねるときは自分から名乗るものだろう。」
「そうだ、君は僕達の名前を尋ねたのに名乗ってない。無礼だな。」
…音も立てずに背後に回り、人に指差しながら失礼なことをいうやつらとどっちが無礼なのかと怒鳴ってやろうかとも思ったが、とりあえず相手は二人いることだし、穏便に済まそうと深呼吸をした。
「えー、私は…。」
「僕の名前は戸井田たみお。」
「僕の名前は戸井田だい。」
「こいつよりちょっと明るいのが僕。」
「こいつよりちょっとシャイなのが僕。」
無礼だなんだと言っておきながら、私が喋るスキがない。
私は思わず飛び退いてしまった。
私の後ろにはいつの間にか2人組の男、それも容姿がそっくりな双子の男がまるで蝋人形のように音も立てずに立っていたからだ。
「だ、誰…?」
警戒してるためか、こんな言葉しか出てこない。
すると、双子の男はチラッとこちらを見たあと、指差しながらこう言ってきた。
「無礼だな。人に名前を尋ねるときは自分から名乗るものだろう。」
「そうだ、君は僕達の名前を尋ねたのに名乗ってない。無礼だな。」
…音も立てずに背後に回り、人に指差しながら失礼なことをいうやつらとどっちが無礼なのかと怒鳴ってやろうかとも思ったが、とりあえず相手は二人いることだし、穏便に済まそうと深呼吸をした。
「えー、私は…。」
「僕の名前は戸井田たみお。」
「僕の名前は戸井田だい。」
「こいつよりちょっと明るいのが僕。」
「こいつよりちょっとシャイなのが僕。」
無礼だなんだと言っておきながら、私が喋るスキがない。