心の国のアリス
この人たちの言う決闘って何?って感じだが、手に持つ傘とスコップから、危険な決闘になることは間違いなさそうだ。

「早く始めないと、すぐに暗くなってしまうぞ!」
「いや、もう既にだんだん暗くなってきてるぞ!」

確かにまわりは異様な暗さに包まれはじめた。上を見ると、恐竜かと言わんばかりの大きな鳥が空を覆っていた。

『カラスだ!!』

二人は声を揃えてそう叫び、一目散に逃げて行った。どう考えてもカラスにしてはでかすぎるその鳥は、まったくこちらを見ることもなくそのまま飛び去って行った。
結局取り残された私だったが、女が気を失っているスキに鳥が飛んでいった方面に向かって逃げることにした。

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