心の国のアリス
「ちょっと…あなたは…誰…?」
走りながら喋るというのもなかなか厳しいものがある。しかし、その子は息切れなどまったく感じさせずに答えた。
「私?私は白山うみ。あなたアリスでしょ?ほんとはもっとお話したいんだけど、ほんと急いでるから、ごめんねっ。」
そう言うと、うみはドアを開けてひとつの建物の中に入っていった。
うみは私のこと知ってた?いや、でも、アリスって…。確かに私の苗字は有栖川だけど、そんな名前みたいに言われると違和感がある。
それよりも、このドア、開けていいんだろうか。勝手に入るのは悪いかもしれないけど、でも早く追いかけないとまた孤独になっちゃう。
迷った末にドアを開けると、そこは広間のような空間だった。
うみはすでにその広間にはいない。そして、この広間には私が入ってきたドアの他にもうひとつだけドアがある。窓などは一切ない。つまりは、うみはこのドアから出て行ったとしか考えられない。
しかし、ひとつ問題点がある。それは、そのドアがあからさまに小さいのだ。
どう考えても人間の通れる大きさじゃない。犬でも難しいんじゃないか。
こんな小さなドア、うみが通れるとも思えない。じゃあ、うみは消えてしまったのか。そっちのほうがあり得ない。
いや…どっちのほうがあり得ないんだろう。
そんなわけのわからないことで悩んでいると、ふと声がかかった。
走りながら喋るというのもなかなか厳しいものがある。しかし、その子は息切れなどまったく感じさせずに答えた。
「私?私は白山うみ。あなたアリスでしょ?ほんとはもっとお話したいんだけど、ほんと急いでるから、ごめんねっ。」
そう言うと、うみはドアを開けてひとつの建物の中に入っていった。
うみは私のこと知ってた?いや、でも、アリスって…。確かに私の苗字は有栖川だけど、そんな名前みたいに言われると違和感がある。
それよりも、このドア、開けていいんだろうか。勝手に入るのは悪いかもしれないけど、でも早く追いかけないとまた孤独になっちゃう。
迷った末にドアを開けると、そこは広間のような空間だった。
うみはすでにその広間にはいない。そして、この広間には私が入ってきたドアの他にもうひとつだけドアがある。窓などは一切ない。つまりは、うみはこのドアから出て行ったとしか考えられない。
しかし、ひとつ問題点がある。それは、そのドアがあからさまに小さいのだ。
どう考えても人間の通れる大きさじゃない。犬でも難しいんじゃないか。
こんな小さなドア、うみが通れるとも思えない。じゃあ、うみは消えてしまったのか。そっちのほうがあり得ない。
いや…どっちのほうがあり得ないんだろう。
そんなわけのわからないことで悩んでいると、ふと声がかかった。