mixed Emotion
「あいつは押しに弱いから、付き合うっていう形だけ取るなら簡単なんだよ。」

私達の反応に、彼女は少しけだるそうに答えた。その顔がすごく、つかさくんと似ている気がした。


胸の奥が、ぎゅっと何かにつかまれている感触がする。

そろそろ彼女を見ているのも、話を聞いているのにも、限界がきていた。

「私は昔からあいつのこと知ってるし、うまくいく自信があったんだ。
でもだんだん打っても響かないつかさに疲れてきて、最近はもう意地だったよ。」

つかさ君は、彼女の事好きじゃないのに付き合ってたってこと?

「ただ……あいつのことは今でもすごく大事に思ってる。」


私と理香ちゃんは黙って聞いていた。
< 111 / 212 >

この作品をシェア

pagetop