mixed Emotion
それからずっと、迫力に負けて視線をはずしていた私の目を、彼女はしっかりと捉えて言った。

「だから、別れるって決めた今日、あんたに会いに来たの。」

………。

「つかさがあんたのことどう思ってるかは知らないけど、自分からバイクで送っていくなんてのは、珍しいから。」

一瞬寂しそうな顔をした彼女は、吸っていたたばこを灰皿に押し付けた。
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