mixed Emotion
それから何かに気づいたように、握っていた美玖の腕をひっぱった。

「やだ!何このあざ!」

理香ちゃんの表情は険しくなった。



「……根性焼き?大樹にやられたの。」

美玖は腕を掴まれたまま、少し投げやりに言った。

腕の方に目をやると、確かにプールの時には傷一つなかった綺麗な腕が、赤く、ミミズ張れのように腫れ上がっていた。

とっさに私はつかさ君の首元の傷を思い出した。


『虐待されて育ってんのよ!』

彼女の言葉が私の頭の中でこだまする。
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