mixed Emotion
いつも通り私は美玖の親が帰ってくる少し前に家を出た。

商店街を通り過ぎ、駅までの道のりを歩く。

美玖の腕にある根性焼きの跡は、いつも私を情緒不安定にさせる。


つかさ君が虐待されていたと知ってから、彼に会うのは今日が初めてだ。


駅の前にバイクを止めて、シートの上に座っているつかさ君の姿が見えてきた。

下をむいて、携帯を触っているようだ。


コンパで会った時と同じ。

カッターシャツのボタンが2番目まで開いて、首の傷がはっきり見える。

「つかさ君・・・」


名前を呼ぶと、彼はゆっくりと顔を上げた。
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