mixed Emotion
着いたのは家の近くにある公園で、つかさ君はあきらかに何か話したい雰囲気を醸し出していた。
私はじっとしていられず、鞄をベンチに置いてブランコに腰かけ、ゆっくりと漕いだ。

錆びたブランコの鎖が吃音を立てる。


「…彼女と別れたんだ。」

ふいにつかさ君が口を開いた。

やっぱり・・・。

「それで・・・」

私はブランコを降りてつかさ君を見上げた。

それで?

それで・・・


な・・に・・・?



つかさ君は突然私をものすごい力で抱きしめた。

髪の毛からシャンプーの匂いがする。


苦しさと嬉しさで窒息しそうだ。



「・・つ・・・つかさ君」



照れているのを隠すように名前を呼ぶと、彼は我に返ったように私の体を離した。
< 137 / 212 >

この作品をシェア

pagetop