mixed Emotion
「ごめん!・・・今俺・・・めちゃめちゃ寂しくて・・・」


「う・・・うん・・・」

「彼女と別れてから、なんかすごい虚しいんだ。」

え……?

彼女のことは何とも思っていなかったんじゃないの?

「別れてから気付くよね、こーゆう気持ちって。ま、もう遅いけど。」

…………。

「やっぱり今日は帰るわ。ごめんね。」


違う。
私の予想していた展開と全然違う。


つかさ君はそそくさとバイクの方に向かいエンジンをかけた。
そしてもう後は何も言わずに、公園を出て行った。

打っても響かなかったんじゃないの…?

まだ恋愛とか、よく分かってなかったんじゃないの…?

私は、つかさ君の特別だったんじゃないの?




抱きしめられた感触が、まだ残ってる。



でもあれは私に対してじゃない。


彼女への行き場のない想いを、私にぶつけただけだ。


残された私は、排気ガスのにおいと一緒に、小さくなっていくつかさ君をただ呆然と見送った。
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