mixed Emotion
久しぶりに見る大樹は見上げるほど背が伸びていて、髪の毛には白いメッシュを入れていた。


大樹は美玖を抱きしめていた。
2人の会話が聞こえる距離まで、私は近づくことにした。

「愛してんだよ本気で」

怖そうな出で立ちをしながら、大樹は情けなく言った。

「おまえに会えないと俺、息もできねぇんだよ。もう絶対手はださねぇ。誓うから。」

大樹の顔は真剣そのもので、私なんて全く視界に入っていないようだった。

美玖は大樹の胸に顔をうずめた。

「私も大好きだよ、ずっと苦しかったよ」

そのやりとりは、2人の長い愛の歴史を感じさせた。

もうだめだ。

あんな眼差しで言われたら、私だって受け入れてしまう。

大樹もすごくつらかったのかもしれない。

美玖ばかりが苦しい想いをさせられていると腹が立っていたけど、彼もきっと、手を出してしまう自分が嫌で、葛藤していたのかもしれない。
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