mixed Emotion
「南くんかっけーー!」

隣でスピッツが叫ぶ。

南くんって言うんだ。

こんなところで彼の苗字が知れるとはね。

「つかさくーん」

「つかさー」

周りが彼の名前を連呼する。

電話してるときは

ターンテーブルのタの字も出てこなかったのに。

私の知らない世界で、

つかさ君はこんなに大勢の人を魅了していたのだ。


一瞬、興奮していた気持ちが沈んだ。

彼はやっぱり、私とは世界が違うのかもしれない。
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