mixed Emotion
でも、もっと彼のことが知りたい。


「つかさくん!つかさくーん!」


他の人に負けじと私は名前を叫んだ。

左隣の赤い髪の女の子が、肩を組んできた。

私は右隣のスピッツの腰に手をまわして、

みるみるそれは大きな人の波になった。

それがだんだん輪になって、

その中に王子様は舞台から飛び降りて入ってきた。


つかさくんのスクラッチに合わせてブレイクダンスを踊る王子様の腕は

筋肉がしっかりついていて、片手で全体重をしっかり支えていた。


それでも私は

王子様よりつかさ君の白い大きな手に注目していた。


魔法みたいに細やかに動く指がきれいで見惚れた。
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