mixed Emotion
掃除機の音がうるさい。

ママがわざとらしく私の部屋に

掃除機をかけているからだ。


パパは今日から海外出張でしばらく帰ってこない。


内心苛立ちながら

負けまいと私は体を布団の中に押し込む。


・・・暑い・・・。


「いい加減に起きなさい」


薄目を開けるとうんざりとしたママの顔が

ぼやけて見える。


「ゆり、最近夜更かししすぎよ」


彼女の怒りが沸点に立つ前にと


私はのそのそ起き上がった。


一度夜中につかさ君からかかってきた電話に、

ねぼけてて何も話せず寝てしまった事があって

、私も夜型になろうとしていたのだ。


今は携帯の通話代も安くなり、思う存分話していられる。



コンビニにでも行くか・・・。


私は壁にかかったキャラクターのカレンダーを見ながら、

毎月購入しているファッション雑誌の発売日が

今日であることに気付いた。


丈が長めのTシャツと

薄い色の付いたジーンズにつっかけを履いて、


私は外に出た。
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