mixed Emotion
5軒くらいまわっただろうか。2人ともまだ運命の一着に出会えていなかった。

高校生のおこづかいからより気に入ったものを選ぶのは至難のわざだ。

歩き疲れた2人は、カフェに入って、足を休めることにした。

そのお店にはテラスがついて、そこのカラフルなパラソルの下でお茶をしたい所だが、現実的に暑そうなのでやめた。

「やっぱあの店のスカート買っちゃおうかな〜」

「でもゆりあれと似たような柄の持ってるじゃん」

「そうだけど微妙に形が・・・」

「えーもったいないよー」

いつものやりとりを繰り返しながら私と美玖はクリームソーダを頼んだ。
美玖とは注文がよくかぶる。
性格は全然違うのに、手鏡やシュシュなど、偶然に同じアイテムを持っていたりするからおもしろい。

「それで、つかさ君とはどうなってんの?」

女子高生の間で盛り上がるといえば恋愛話だ。

私は今までのいきさつを洗いざらい全て美玖に話した。
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