mixed Emotion
家を出て


期待と不安が入り混じった中


あたしは正門をくぐる。


どこを見渡しても女の子でいっぱいの見慣れた校舎だけど


憧れのブレザーに身を包むと


少し大人に近づいた気分になる。


「おっはよー!」


春爛漫な声がして振り向くと美玖だった。


「朝からすっごい男前見つけちゃった!」

小柄な私より更に背の低い美玖だけど


瞳はぱっちりしていて動くマスコット人形のよう


「え〜いいなぁ。


でも大樹と登校してるんじゃないの?」


「うん、でも大樹の顔なんかとっくに見飽きてるし」

美玖はいつもこうやって彼氏をけなすの。


「でも今でも好きなんでしょ?」

「うん!結婚するもーん。」


こんな感じで本当はラブラブなんだ



恋の主導権も


どうやら美玖が握ってるみたい
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