mixed Emotion
「は?どうしたのいきなり?」

クリームソーダのストローを噛んでいた美玖は、
不思議そうに私の方を見た。

「もっとかわいくなりたいの!」


真剣な私に美玖はにやにやしながら


「ほー、それはおもしろい!先生にも目付けられるし大変だよぉ?いいの?」

と試すような目で私を見た。

うちの学校はキリスト教の中でもクリスチャン。体に手を加えることは全面的に禁止されている。
「いいの!」

私の意志は固まっていた。このままの私では、彼女に勝てるどころか相手にすらされなさそうだ。
「よし!じゃあ美容室に今から行こう!格安でしてもらえるとこあるから!」


「え?!いっ今から行くの?」


意志は固いがいざ染めるとなると心の準備が必要だ。
「えー行かないの?」

「…行く」

「おっしゃ!」


美玖は完全におもしろがっていた。

まぁいいや。

私は自分への期待とちょっぴりの不安を抱えて美玖のいきつけの美容室へと向かった。
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