mixed Emotion
「どんな色にしたいですか?」

美玖の知人らしき美容師さんはにっこりと微笑んで、私に人口の髪に色がついた見本を見せてくれた。
こんなに種類あるんだ・・・。私は迷った末、少し茶色がかった髪を指さし、お願いしようとしたところ、

「え〜それだと今と変わんないじゃん!こっちの方がいいって!」

とあっさり美玖に否定され、強引に明るめのカラーをすすめてきた。

「えーこれはやりすぎだよ!でも確かにさっきのは黒すぎかなぁ、じゃあ・・・」

私と美玖はほぼ同時に

「これ!!」と同じ髪を指差した。

「決まりですね」美容師さんは小さく笑って私をシャンプー台へと促した。彼女の落ち着いた笑顔に私はすっかり安心して任せることにした。
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