mixed Emotion
「ねぇ、花火見ないの?」

私は心配になって思わずつかさ君に尋ねた。



「特等席で見よう」


つかさ君は得意気に言い、私をその場所へと連れて行った。

そこは花火の舞台である河川敷から少し離れた小さな公園だった。

山のような形をした遊具の上に、つかさ君は浴衣を着た私を両手でもちあげて、ひょいと乗せた。

抱き上げられたのはこれで2度めだ。

私とつかさくんが座れる、ギリギリのスペースだった。
< 93 / 212 >

この作品をシェア

pagetop