15の夜はティラミス・ガールズと共に
田岡を含めた美化ボランティア一行は、近所の小学校へ歩を進めた。
老人達の行進は遅々としたもので、それだけで田岡は、自分が一番の若さを持っている事に気付く。
まぁ、けれどもそれは意味が無い。
-来年の紅白歌合戦には死んでいるのだ-
彼は、きっと、遺作となるドラマで共演したアイドルが、黄色い声援を浴びながらNHKホールの大ステージの上で踊る様を見る事なく死ぬのだろう。
…あと、3ヶ月の人生なのだ。
死に寄り添う、脆弱で繊細な存在であるべき小説家という人種でさえ、図々しく頑強になったこの時代にあって、誰が3ヶ月後という時間に永遠を求めようか…。
そんな事を無為に考えているうちに、田岡を連れていた一行は止まった。
老人達の行進は遅々としたもので、それだけで田岡は、自分が一番の若さを持っている事に気付く。
まぁ、けれどもそれは意味が無い。
-来年の紅白歌合戦には死んでいるのだ-
彼は、きっと、遺作となるドラマで共演したアイドルが、黄色い声援を浴びながらNHKホールの大ステージの上で踊る様を見る事なく死ぬのだろう。
…あと、3ヶ月の人生なのだ。
死に寄り添う、脆弱で繊細な存在であるべき小説家という人種でさえ、図々しく頑強になったこの時代にあって、誰が3ヶ月後という時間に永遠を求めようか…。
そんな事を無為に考えているうちに、田岡を連れていた一行は止まった。