15の夜はティラミス・ガールズと共に
 お前らに分かるかよ、と悶えながらもまだ頑なに寿が言うので、清田は「おぉ、15歳! 懐かしき幼い日々!」と戯曲でも謳うかのように嘲た。

 あははは、と双子と沢北は笑っている。
 
 寿はヘッドロックを外そうと暴れたが、15歳の未完成の体は成長しきった19歳の体には到底敵わなかった。
 
 「明るく行こうぜ、寿ちゃん」
 しかし、寿がこうした体育会系のノリには付いて行けない人間だった、彼等の想像以上に鬱な少年だった事に4人は気付かなかった。
 
 清田の腕に締め付けられながら寿は「バカにするがいいさ…」と呟いた。

 その声色の危うさで清田は思わず、寿を解放せざるを得なかったようだ。
 
「別に慣れてんだ……誰にも理解されない事は……」

 
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