15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「そう!」清田が言った。「俺達と違い、お前らは堅気だ」

 『堅気って…』と、双子は苦笑した。

 「しょっ引かれちゃあならねぇ! そのためにも、見張りの俺達が少しでも警告した場合は、速やかに行動しろ! 俺はお前達を前科者にしないために全力を尽くす所存だ!」

 「……テメェは校長先生かよ…」と、寿。
 
 「いや、マジな話だぜ?」

 「…別に公権力が怖いわけじゃない…。俺はどうなってもいい……」寿は2、3度、ゆっくりと首を振った。「…まぁしかし、『ティラミス・ガールズ』は守ってやってくれ」

 「ティラミス・ガールズ?」清田は怪訝な顔を浮べた。
 
 「誰だよ、そいつ?」
  
 寿は適当なチョークを吟味しながら、顎で双子を指し示す。


 『へ? 私達?』と、双子は声を合わせた。まったく、何から何まで息の合う双子である。


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