15の夜はティラミス・ガールズと共に
 マネージャーと田岡は控え室へ歩き出した。  
 「次は一時間後です」
 
 「…他の役者は?」田岡は小さな声で尋ねた。
 
 「は?」実務に特化したマネージャーには、彼の意図が分からない。

 「いや…」

 「…ハハッ! 仕方ないですよ!」マネージャーはようやく、なんとなく田岡の言わんとする事が分かったようだ。その真意を理解はしないが、その律儀をいう年寄りは居なくも無いだろう、という風な笑い方だ。
 
 「アイドル連中は多忙っスからね。一緒に長いカットを撮るのはとても無理っすよ。細かく切らないと」

 「…それでちゃんと図になるの?」

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