15の夜はティラミス・ガールズと共に
 寿が、他の同級生が持ち合わせる陽気と図太さを持っていないのは知っていた。彼はタフではない。

 繊細でいつも小難しい事を考え、正義感が強い。

 (それは知っている…。昔からそうだった…)

 綾は泣き出しそうになっていた。

 (それは知ってたの…。それを含めて“好きだった”のに…)
 
 (もし寿が幼馴染の好意を越えて、本当に私を好きだと言ってくれるなら、私も寿を好きになろうと決めていたのに…。 心のどこかでずっと待っていたのに…)

 「ふ…ふざけないでよッ!」
 
 (こんな告白なんてずるい! 酷すぎる!)

 綾は怒りと涙で声を振るわせた。

 「私、全然嬉しくないからね!」

 「そんなワケわからない事ばっかり言ってると本当に嫌いになっちゃうよ! 誰も寿の事、心配しなくなるよ!」


 
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