15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「違うんだ、綾。 なぁ、聞いてくれ…」


 「嫌! もう知らないッ!」


 綾が立ち上がるのに合わせて寿も続いた。彼は赤ん坊のように、自分の満足の為だけに少女に甘えようとしていたのだ。
 「待って…最後まで聞いて!」


 寿の手が綾の肩を掴んだ瞬間、「触らないでよ! 幼馴染なだけで恋人じゃないんだから! …待ってた私が馬鹿だったのよ!」という、苛立ちに任せた悪態が吐かれた。
 
 いつも物腰柔らかな綾とは思えない、残酷な言葉だった。
 
 
 その少女の言葉に少年の何かが弾け飛んだ。

 「きゃあっ」とも、「ひゃあっ」、ともとれる短い悲鳴の後、少女は少年のベッドに押し倒されていた。

 
< 42 / 111 >

この作品をシェア

pagetop