15の夜はティラミス・ガールズと共に
 馬乗りになるカタチで少年が覆いかぶさる。

 バランスを崩されたとき、思わず掴んだ少年の肩から異性を感じた。小学生の頃とは違うのだ…。

 綾はもう抵抗はしなかった。
 寿が乱暴を振るう気などない事を知っていたし、あるいは万一自分に乱暴を振るつもりだったとするなら、その悲劇が寿という異性を見捨てるための自分の中での理由になる。

 
 ……しかしもちろん、寿は、思いやりと繊細と正義を持った男だった。
 
 
 だからこそ、ここまでボロボロの少年を見るのは、綾にとって辛い事だったのだ。
 
 「………」
 綾は黙って、少年に身を任せた。 

 
 「ごめん…」
 少年がそう言ったのを契機に、ポタポタと胸の辺りブラウスが濡れてくのが分かった…。
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