15の夜はティラミス・ガールズと共に
 ……………

 その日の夜。十一時を回った頃だった。

 
「寿ィ! ホレ、行くぞ!」
 寿の家の前に、清田と沢北のワゴンが停車する。
 
 ………
 
 「…留守かな?」清田は助手席の沢北に言った。

 
 「さぁ? 携帯に電話し--  お、来た」


 「サルか、テメェらは……」寿は現れて早速、悪態を吐いた。「バカみたいに大声出さないでインターフォン使えよ…。文明機器は使えねぇのか?」

 
 「…やれやれ」清田は肩を窄めた。
 
 
 「こっちがやれやれだ」
 
 寿は車に乗りながら、向かいの綾の家をチラリと仰いだ。二階の綾の部屋には明かりが点り、人影を作っていた。

 やれやれだ…

 逆光ではあったが、綾がこちらを見ている事を彼は確信したのである。
 
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