15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「実体験?」


 「そう、私達が中学の頃の彼氏の話」


 「つまり……」双子は寿から一歩離れ、胸に手を当てた。「私の彼氏が不完全変態型の昆虫で…」


 「私のが完全変態の昆虫」


 ………。

 「やれやれ…。 彼氏を昆虫で例える女がいるとは……」
 寿は首を振った。彼の鬱のリズムが崩されっぱなしだった。

 しかしそれは喜ばしい事だったのだ。あるいは双子の力だったのだ。


 「私達は高校の生物Ⅱの授業のとき、この結論に至ったのよ!」


 「論文で発表したいぐらいだったわ!」


 「………。 で?」
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