15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「と、いうと?」


 「不完全変態の方は、いつまでも中学生のままだった。陽気で、悩み知らず、ナーバスレス」


 「ナーバスレス?」


 「鈍感で、図太くて、生きる事に図々しい。 そのくせ恋愛テクニックには鋭敏で、不良ぶる癖に学校では計算高く成績を修め、努力無しの大学の推薦を目指し、常にコンドームを持ち歩き、打ち上げとか旅行とか集まり事には必ず中心的役割をした。 『泣ける』って言葉をよく使い、恋愛と愛を取り違え、常に携帯電話を気にしていた。 それに--」


 「……わかった、わかった」


 「つまり、人生経験を積んだ中学生になったってわけ」


 「あれじゃあ、いつまで経っても“真実”には辿り着けないわ」


 「…で、完全変態の方は…?」
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