15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「田岡さんこそ何やってんです!?」
 
 「何って?」田岡は外人がするように、わざとらしく両方の掌を上に挙げた。「飯ぐらいは行くさ、老いぼれでも」

 「ちょっと、田岡さん! ドラマの方はどうするんですか?」
 こちら仕事の関係者。携帯電話を3台持っているような男だ。

 問題の核心を突く質問に、記者達は一斉にマイクを向ける。
 
 「なぁに今は何でもコンピュータでなんとかなるんだろ? CGとか何とか、好きにやってくれ」
 田岡は頭を掻いた。
 「元々、無茶苦茶な本(脚本を指す)だったんだから、適当に死んだ事にしてもいいだろう? 『交通事故』とかって…」
 
 
 「あなたねぇ!」
 携帯3台野郎は、似合わない丁寧語に耐え切れず声を荒げた。
 
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