15の夜はティラミス・ガールズと共に
 「暇なんス、俺達、不良って」沢北も双子に加わって笑った。
 
 「だけど、ニートよかマシだ…」という、助け舟にならない助け舟を出すのは、寿の役目だ。
 
 「それ、褒めてんのか?」と、清田。
 
 「あぁ。だが、その暇に俺は付き合えない。さっさと仕事を始めよう」

 テメェ、という不良の定型句を言おうといた清田を宥めるのは、同じく不良の沢北。どちらかというと、沢北の方が人間が出来ている様子だ。
 「まぁ、まぁ…清田。寿はまだ中坊なんだぜ? ガキにムキになってもしょうがないぜ?」

 「君は幾つ?」と、双子の片方が言う。
 
 「へ、俺? 俺は17だけど…」
 
 『私達は20』と、双子は声を合わせる。

 「…で?」
 
 『それだけ』

 「………。やれやれ、先が思いやられるぜ…」
< 8 / 111 >

この作品をシェア

pagetop