15の夜はティラミス・ガールズと共に
 口の奥で、はい、と言ってウェイターは消えた。


 美幸が立ち上がって「お代わり、コーヒーでいい?」と、カップを持った。

 
 「ああ、悪い」と、寿はカップを差し出す。


 ………

 「……で? 朝に二人でいたからなんなの?」
 一人になった双子は言った。智美である。

 
 一人になってしまった双子は、それはそれで変な感じだった。
 「あ、えと…」寿は頭を切り替えるのに少し手間取った。
 
 「…普通、ここが生まれ育った土地なら、双子は一緒に行動しない」


 「そう?」


 「ああ、もし俺だった絶対にしない…」
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