パクり女とあたし
「でも、前まで銀のやつじゃなかった……?」
あたしがそう言うと愛奈の顔が一瞬青ざめた気がした。
「あれは、お兄ちゃんの。この弁当箱は、妹に貸してたからお兄ちゃんの貸してもらってたの」
愛奈は平然とした顔で言った。
「ふぅん。愛奈って兄弟いたんだ。知らなかった!」
あたしは笑って言った。
あまりにも愛奈が冷静だったので、一瞬で疑いの気持ちがなくなったのだ。
「うん!いるよぉ」
愛奈の兄弟かぁ……。
どんな人だろう。
「ねぇ!あたし愛奈の家行ってみたい!」