Forever Songs.~君のうた~
初めまして。

貴方からのメールだと知らせる着信音が部屋に響いた。

けれど、そのメールはもう前のような貴方じゃなかった。

敬語で絵文字のない文面。

「貴方」は「貴方」じゃなくなっていた。そんな気もした。

でも、優しさだけは変わっていなかった。

そして貴方はやっぱり「彼女」を愛していた。

記憶を失くしても貴方は覚えていたよね。

泣いたよ。何度も。

やっぱり勝てないよ。「彼女」には勝てない。

だってそうでしょ?

貴方が愛しているのは「彼女」だった。

そして幾つもの日々が過ぎていった。

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