死のカウントダウン
ブィー・・ブィー・・
音がうるさくて嫌いな留以は、公私関係なくバイブにしている。
着信を知らせるその振動が、ズボンのポケットから伝わった。
「…高村か、どうした?」
「成瀬…落ち着いて聞けよ。
妹さんが…遺体で発見された。」
「…………!?」
「成瀬…」
「陽菜…が…?」
「ああ…。」
「何処だ?今すぐ行く。」
…陽菜が?嘘だろ?
冗談だって言ってくれよ…。
俺を驚かそうと思って、突然ひょっこり帰ってくるつもりなんだろ…?
陽菜…。
車を走らせながら、留以は夢であることを何度も願った。
赤信号が もどかしい。
現場に着いた頃には2時を回っていた。