アザレアの花束を
その台詞を聞いた俺は、
何も言わずに自分の部屋へ戻った。
海さんといい、
玲さんといい、
獲物のためなら何でもできる、というような調子だ。
俺には
そんなこと無理なのに。
「呂依、今流れ星が見えたのよ!」
ぼーっと、海さんと玲さんのことを考えていた俺に、
愛は無邪気に言った。
俺ははっとして、
すぐに彼女に笑顔を向けた。
すると彼女は寂しそうに言った。
「最近、呂依ってぼーっとしてばっかり」
「……ごめん」
素直に言うしかなかった。
確かに最近、ぼーっとしすぎている。
それで彼女を寂しくさせているなんて、
わかることなのに。
「私に、相談してくれてもいいじゃない?」