アザレアの花束を
すとん、と彼女の台詞が俺の中に落ちてきた。
彼女は、
不安を抱えたような顔で俺を見ていた。
「本当?」
俺がそう言うと、
彼女は頷いて微笑んだ。
……だけど、
悩んでいるのが
愛のこと、玲さんのこと、海さんのこと、
俺のこと、だと言ったら
愛はどう思う?
そう考えたら、言えない。
「……愛には、何か無い? 悩んでることとか」
俺は話題を反らし、愛に話をふった。
すると、
愛は急に微笑みを消した。
気まずそうに地面を見つめ、
じゃあ、と言った。