アザレアの花束を


その台詞を聞いて、気まずそうにしていた彼女の顔が
いっきにぱあっと明るくなった。



「ありがとう! それで、家に来てくれる日なんだけど……呂依はいつなら大丈夫?」


「いつでもいいよ」



じゃあ、と彼女は言うと



「2日後の夕方、ここに来てもらえるかな?」


「……夕方」



俺は無意識に呟いていた。


すると彼女がそれに反応したらしく、
急に顔を暗くした。



「駄目だった?」


「ん、いや。大丈夫、大丈夫」



俺はとっさに答えたが、

実際は不安だった。


最近は日が当たる時間が長くなってきているし、
きっと2日はこの天気だと晴れる。




それでも、断ろうとは思わなかった。


そうさせたのは、

きっと“恋心”


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