アザレアの花束を
2人とも少し落ち着いてくると、
俺の腕の中の彼女は俺を見上げ、
そっと呟く。
「呂依の瞳、綺麗……」
ねえ、愛はそんなこと言うんだね。
吸血鬼の象徴である銀の瞳を、
“綺麗”
だなんて言うんだ。
俺はそっと彼女の唇にキスを落とす。
しばらく見つめあって、
今度は彼女から唇を合わせる。
それを合図に、
俺たちは奪い合うようにキスをした。
禁忌、だと
軽蔑される
俺たちの様子を
赤い月だけが見ていた。