アザレアの花束を
深いキスで苦しいのか、
彼女は空気を願うように声を出して喘ぐ。
「……ふ……ぁ」
その声が色っぽくて、
また俺は彼女に深いキスをする。
その合間にも、
彼女は瞳から一粒の涙を流す。
その様子に気づいた俺は
少し唇を離して、
彼女に訊く。
「……悲しい?」
すると、
彼女はううん、と首を振った。
「嬉しいの」
そういい終える前に俺は彼女にまたキスをした。
彼女さえいれば、
何もいらないと思った。