アザレアの花束を


笑って彼女はそう言っていたけど、俺はその名前が愛にぴったりだと思ったんだ。




愛。


俺は、君が好きだから。


きっといつまでも好きだから。




もし、俺が人間になれたら愛の側にいる。


他の男と話してたら嫉妬するかもしれないけど、許して。


これも愛情表現なんだから。




それと、結婚……とかしたいな。


だってそれだと、ずっと一緒にいられるだろう?


正真正銘、俺のものだって言えるだろう?




……それと、もし俺が消えてしまったら。


そのときは、愛を解放しなきゃね。


自由にしてあげなくちゃ。






洋館を飛び出して、愛との約束の場所へ来たけれど。


日が昇ることが恐いような、待ち遠しいような。


色々な感情がごちゃまぜになる。


< 89 / 100 >

この作品をシェア

pagetop